AACポスターコンペ2012 審査結果発表

2012年5月7日、「AACポスターコンペ2012」の審査会を開催いたしました。本年度は過去最高となる、336点もの応募がありました。
審査は長嶋 りかこ氏(博報堂アートディレクター、デザイナー) 、服部 信治(主催会社 代表取締役社長)により厳正に行われ、以下のように受賞作品が決定しました。

>>AAC2012・AACポスターコンペ2012合同表彰式・懇親会<<

最優秀賞 受賞作品

「あたらしい鏡」
戸塚 香里

武蔵野美術大学
造形学部 視覚伝達デザイン学科 3年
私達は今の社会で、見直すべき様々な出来事に直面していると思います。そんな今を見つめ直すという意味を込めて、鏡をモチーフに選びました。私はそれを壊し、再構築することで、既存の見方を壊し、新しいものの見方を発見していくことを表現しようと思ったのです。
この度はこんなに素敵な賞を頂き、本当に嬉しく思っています。日常に潜むささやかな発見が、私達をあたらしい日々へと連れ出してくれることを願っています。
■ 審査員 : 長嶋 りかこ / 博報堂 アートディレクター、デザイナー
戸塚さんの作品は、実はつっこみどころはたくさんあったんですけど(笑)アイデアにオリジナリティがあり、オブジェの美しさにも可能性を感じたので、これはブラッシュアップでもっともっと良くなるなと思い選ばせて頂きました。
完成度をあげていくプロセスを一緒に体験してもらって、彼女がそこからなにか持ち帰ってくれたなら、嬉しいです。

入選 受賞作品 (応募順)

「レイヤー」
友田 菜月

武蔵野美術大学
造形学部 視覚伝達デザイン学科 3年
平面であるポスターで、立体作品のコンペを募る事はどういうことか考えました。平面媒体の「紙」を重ねることで立体を表現し、なにかを問いかけるようなものになったのではないかと思います。

ポスターコンペには初めて出品しました。入選できたことは素直に嬉しいです。

「ARTと空間」
佐藤 茜

武蔵野美術大学
造形学部 デザイン情報学科 3年
今回入選作品に選んでいただき、本当に有り難うございます。立体作品は、展示場所の空間に置くことにより、凹凸からなる光や影が、同じ素材を使用していてもいろいろな色やかたちをつくりだします。それはその場所に置くからこそ見える世界であり、一期一会でもあります。そして最初はパーツだったものが作者により一つの集合体として作品として、存在するのです。そんな立体作品を今回このポスターで表現させていただきました。
「"A"から"A"」
落合 隆将

北九州市立大学大学院
国際環境工学研究科 環境工学専攻 大学院
この度は、入選作品に選んで頂きありがとうございます。
"アート"と"建築"は分かち難い関係にあるという事を2つの"A"が共存するモデルで表現しました。
建築はその存在自体がアート的な側面を持っていて、またその逆も同じであると 思います。
両者の関係を考えることで、より良い空間や作品が生まれるのではないかと考えデザインしました。
「自然」
中嶋 千紗

OKA学園トータルデザインアカデミー
デザインビジネス科 2年
この度は入選作品に選んで頂きましてありがとうございました。
探しているものは実は思いもよらない
所に隠れていたり。
いつも当たり前のように過ごしている場所、通いなれた道、ふと立ち止まって周りを見渡してみると探していたものがこんな所に。今回、AACを探していたら自分の家の庭に隠れていました。
これからももっと視野を広げて新しい何かを探していきたいと思います。

「驚き」
宮崎 真希

学校法人東京モード学園
グラフィック学科 グラフィック専攻 2年
この度は入選作品に選んで頂きありがとうございます。
この作品は、立体作品を様々な表情をもつ人の顔と重ね、その変化と共に『驚き』を表現しました。
最優秀賞は逃してしまいましたが、この入選を機により一層良い作品が作れるよう励んでいきたいと思います。ありがとうございました。
「立体への進化」
深澤 衛

千葉工業大学
工学部 建築都市環境 4年
二次元性をもつ「線」。
三次元性をもつ「立体」。
この二つには近いようで遠い距離がある。
その距離を超える。
線は立体へと進化する。
 
立体アートのコンペティションということで、針金の性質を利用して、AACという文字を作り、線が立体へと進化していく様を。プライザーを配置することでアート作品らしさを。そして加えて建築学生らしさも表現できたと思います。これからも様々な場へ挑戦していこうと思ってます。
「立体のシズル」
内山 耀一朗

首都大学東京
システムデザイン学部
インダストリアルアートコース 2年
辺りを見渡すと立体の造形は身近なところにたくさんあり、人々にとって作ることと見ることの両面で面白いものです。

この作品では、立体造形を製作したり見たりするときに感じるわくわく感を、ポスターを見る人同士で共有できるようにと考えて制作しました。

自分の作品がこのように評価されたことをとても嬉しく思います。ありがとうございました。

「一点の奥行」
工藤 功太

東京藝術大学
美術研究科 デザイン専攻 大学院
なんともない図形も、たった一点加えるだけで空間的な奥行きを見せます。アートにとっても同様で、日常風景にいつもと違う一つの視点を持ち込むことは、未知の芸術となり得ます。「アートと日常は、一点違うだけ。」そういったコンセプトから、このポスターを制作しました。

入選作品に選んで頂き、大変嬉しく思います。ありがとうございました。

「出来事in the room」
久保 貴子

日本大学
理工学部 建築学科 4年
この度は入選作品に選んで頂き有難うございます。とても嬉しいです。
制作するに当たって人の感性を刺激するものならば全てのものがアートになると考えました。今回は建築空間の中に出来た『影』に注目しましたが、このようにアートとはすべての人にとって身近なものであるということを伝えられたらいいなと思います。
「職人技」
吉松 英輝

九州大学
芸術工学部 芸術情報設計学科 4年
2年連続で賞をいただけて光栄です。学生最後の年なので最優秀作品に選ばれなかった悔しさだけが残ります。
ポスターでは、立体アート作品を作る時の繊細な技術を整列された紙のフォントで表現しました。

>>吉松 英輝さんのwebサイト「HYDEKICK」
「フェンス-タイポグラフィ」
阿津 侑三

桑沢デザイン研究所
昼間部 ビジュアルデザイン専攻 2年
フェンス。向こう側が見えるのだけど通れない壁。

同じマンションに住んでいて、知っているのだけれど、よくは知らない関係。

フェンスのような壁がそこにあるのです。

そのフェンスに作品(アート)をつくることで、壁(境界線)を越えた新しい繋がりが生まれると思い、このような作品をつくりました。

選んでいただき、ありがとうございます。

「才能を探しています。」
佐藤 直也

HAL 東京
専門課程コース グラフィックデザイン学科 2年
この度は入選いただき大変嬉しく思っております。ありがとうございます。
今回コンペというものに参加したのは初めてだったので、今回学ばせていただいたたくさんの反省点を次回以降いろいろなコンペに活かしたいと思います。

今回の作品についてですが、やはりAACという文字を何かで表現しようと模索している中でたまたま思い浮かんだのがサーチライトによって文字を組むといったアイデアでした。単に組むだけだと平面的な印象だったので、奥行き感を出すために空間性を考慮してライトを配置してみました。

最後に、アドバイスをくださった先生や家族にお礼を言いたいです。ありがとうございました。

「Optical Architecture」
河野 智

多摩美術大学
美術学部 グラフィックデザイン学科 2年
今回、入選させて頂き嬉しく思うと同時に、それ以上に悔しく感じています。
私はアートミーツアーキテクチャーを明快に示そうと制作しました。
このコンペは最終的にアートがマンションに置かれます。それによって住人の日常に変化が起こるのだと考えました。
そこで私は上下どちらからも見られるような建築物を描き、日常に違和感を持ち込もうと試みました。
少しでも人を惹き付けられる表現になっていたら嬉しく思います。
   

総評

■長嶋 りかこ / 博報堂アートディレクター、デザイナー
応募作品はとても多く、いろんなアプローチが拝見でき、学生の無邪気で自由な空気には、とても好感が持てました。
なかには完成度が高いものもいくつかあり、グランプリにしようかと迷うものもありましたが、
しかし完成度が高いだけに、アイデアの弱さやが気になったり、表現の既視感が仇となってしまったりする作品もありました。
逆にアイデアは面白いんだけど、定着の雑さが目立ちすぎる作品に、もったいないな~と思う場面が何度もあったり。
やはり、アイデアだけでもダメですし、表現力だけでもだめなんですよね。
コンペで勝てればそれは嬉しいことですが、一番重要なのは、なぜ自分のものがダメだったのかを考えること。
みなさんにはその時間を必ず持ってほしいです。
負けた時が成長のチャンス、ぜひ次につなげていってほしいです。
学生の皆さん、これで終わりではなく、引き続きがんばってください!

審査風景

参加者概要

■ 応募総数
336名 (男性:142名、女性:118名、不明:1名)
■ 年齢別データ
平均年齢:21.5歳

■ 学年別データ
■ 応募者在住 都道府県データ
全28都道府県
東京都 74人 宮城県 5人 滋賀県 2人
福岡県 34人 熊本県 4人 福島県 2人
神奈川県 33人 長野県 4人 奈良県 2人
千葉県 23人 広島県 4人 秋田県 1人
愛知県 14人 茨城県 3人 沖縄県 1人
埼玉県 13人 岡山県 3人 岐阜県 1人
大阪府 8人 佐賀県 3人 兵庫県 1人
京都府 6人 北海道 3人 三重県 1人
静岡県 6人 石川県 2人    
和歌山県 6人 群馬県 2人    
■ 学校別データ(全81校)
麻生情報ビジネス専門学校 27人 東京藝術大学 2人   東京工芸大学 1人
多摩美術大学 26人 東京大学 2人   東京工科大学 1人
武蔵野美術大学・大学院 26人 東京造形大学 2人   長野美術専門学校 1人
桑沢デザイン研究所 15人 東海大学 2人   中部大学 1人
日本大学 11人 創造社デザイン専門学校 2人   拓殖大学 1人
千葉工業大学・大学院 9人 前橋工科大学 2人   大阪成蹊大学 1人
東京デザイナー学院 8人 静岡大学 2人   大阪産業大学 1人
千葉大学・大学院 7人 崇城大学 2人   大阪教育大学 1人
和歌山大学 5人 広島市立大学 2人   大阪デザイナー専門学校 1人
HAL東京 5人 熊本大学 2人   千葉デザイナー学院 1人
豊橋技術科学大学・大学院 4人 近畿大学 2人   青山製図専門学校 1人
大阪芸術大学短期大学部 4人 京都精華大学 2人   成安造形大学 1人
早稲田大学・理工学術院 4人 宮城大学 2人   秋田県立大学 1人
仙台高等専門学校 4人   学校法人東京モード学園 2人   滋賀大学大学院 1人
常葉学園大学 4人   岡山県立大学 2人   札幌大谷大学 1人
首都大学東京・大学院 4人   琉球大学 1人   広島修道大学 1人
九州産業大学 4人   名古屋工業大学 1人   穴吹デザイン専門学校 1人
京都工芸繊維大学 3人   名古屋芸術大学 1人   熊本県立大学 1人
女子美術大学 3人   北九州市立大学大学院 1人   金沢工業大学 1人
工学院大学・大学院 3人   法政大学 1人   京都造形芸術学科 1人
九州大学 3人   文化デザイナー学院 1人   関西大学 1人
OKA学園トータルデザインアカデミー 3人   福岡デザイン専門学校 1人   専門学校千葉デザイナー学院 1人
芝浦工業大学 2人   富山大学 1人   岡山科学技術専門学校 1人
名城大学・大学院 2人   日本デザイナー学院 1人   愛知県立芸術大学 1人
名古屋造形大学 2人   東洋大学 1人   バンタンデザイン研究所 1人
名古屋学芸大学 2人   東北大学 1人   Central Saint Martins 1人
北海道芸術デザイン専門学校 2人 東京理科大学 1人   University for the Creative Arts 1人

主催会社挨拶

■ 服部信治 / 株式会社アーバネットコーポレーション 代表取締役社長

今年も沢山のご応募、誠にありがとうございました。
弊社は、学生限定の立体アートのコンペ「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション(AAC)」を毎年開催し、今年で12回目になります。
AACは、「立体アートを学んでいる学生の発表の場が少ない」ということから、「これらを学ぶ学生を支援していきたい」、「アートと建築が融合することで作品展示の場を増やし、更にはマンションに住まう人々にアートを楽しんでいただきたい」という思いでスタートした、学生限定の立体アートコンペです。
このAACの募集告知ポスターを「応募者と近い目線の学生に制作してもらおう」という企画が立ち上がり、2008年からスタートした「AACポスターコンペ」は今年で5回目の開催になりました。
『コンペのコンペ』という非常に難しい題材のポスターですが、年々応募数も増えており、今年は過去最多の336点もの作品が集まりました。
日本で学ぶ学生なら学部も国籍も問わず誰でも参加できるようにしたことで、デザインを専攻している以外の学生からの応募も多く、アートに感心のある全ての学生が切磋琢磨するような場の提供は、有意義な活動であると考えております。

最後になりましたが、お忙しい中、審査や受賞作品のブラッシュアップにご協力いただいた長嶋様には大変感謝しております。ありがとうございました。
また、告知にご協力いただきました学校関係者の皆様、マスコミ各社の皆様にも御礼申し上げます。

ジャンルを問わず若い世代のアーティストがAACをきっかけに、日本で、そして世界で活躍されることを願って、地道に活動を続けていきたいと考えております。