第15回 学生立体アートコンペ「AAC2015」 審査結果


「アートのあるライフスタイル」の提案とともに、若手アーティストの発掘・支援・育成を目指して実施している
学生限定立体アートコンペ「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)」の最終審査会を、
2015年11月11日、東京都江東区の「清澄白河Ⅱプロジェクト(ステージグランデ清澄白河アジールコート)」で開催いたしました。
今回で15回目を迎える本コンペは、同年5月から7月までの約3ヶ月間、全国の美術を学ぶ学生から作品を募集。
56点のハイレベルな作品が集まった一次審査会で選出された3名が、展示場所となる「清澄白河Ⅱプロジェクト
(ステージグランデ清澄白河アジールコート)」のエントランスホールに、実制作した作品を1点ずつ仮設置して
プレゼンテーションを行いました。
厳正な審査の結果、以下のように受賞作品が決定いたしましたのでご紹介します。

最優秀賞

        

「ひとつのうみ」
渡辺  志桜里(わたなべ しおり)
東京藝術大学大学院 美術研究科 彫刻専攻
■渡辺 志桜里さんのコメント
この度は最優秀賞に選んでいただきありがとうございます。
今回このコンペに参加した事で、色々な人と関わることができ、
社会に自分の表現が受け入れてもらえる場所があるということを確認できた事が一番の収穫でした。
沢山頂いたご意見、アドバイスを今後に生かして制作を続けたいと思います。
ありがとうございました。

■ 審査員コメント
エネルギーを一番力強く感じました。海をテーマにした作品で、海のエネルギー、海のリスクが非常によく
表現されていました。
作品としてのクオリティが非常に高いところが、審査員の中で一致しました。
(審査員長:清水 敏男)

大変素敵な作品で、佐藤さんの作品とはまったく逆の発想で作られていて、理屈じゃないと思わせてくれる
作品です。エモーショナルで、受けとめやすく、直感的なところを評価できる作品です。
(審査員:鈴木 芳雄)




優秀賞


「気配」
佐藤 風太(さとう ふうた)
東京藝術大学 美術学部 彫刻専攻 3年 
■ 佐藤 風太さんのコメント
今回は優秀賞を頂くことができ、大変光栄です
提示された空間に対してコンセプトを提示し、実際に作品を造る。
そして最後に仮設置をしたうえでプレゼンテーションを行うという過程全てが為になりました。
また、大学の先生方、AAC事務局の方々を始め、様々な人にお世話になりました。
ありがとうございました。

■ 審査員コメント

星の王子様をヒントにつくられたという事で、目に見えないものを形にするという、
大変素晴らしいコンセプトだったと思います。
これからの課題として、技術をもっとアップし、自分のコンセプトをそのままストレートに出せるだけの
技術力を期待します。
(審査員長:清水 敏男)

渡辺さんと佐藤さんの作品は、ある意味発送がとても対照的で、それが面白かったです。
佐藤さんは、理詰めで発想されています。
星の王子様といったフレーズがあったり、コンピューターをつかって、作品のコンセプトを理論的につめて
いったあとがあり、完成していった作品です。
解説を聞いていてとても楽しく、腑に落ちるし、なるほどと思わせてくれる作品でした。
(審査員:鈴木 芳雄)


「日の出」
金 俊来(きむ じゅんれ)
京都市立芸術大学大学院 美術研究科
博士課程 漆工専攻




■ 金 俊来 さんのコメント
今回、素敵な賞を頂き、大変光栄です。
共同スペースに設置されるという漆としては少し珍しいチャレンジでしたが、
漆の深みのある色味と美しさを博物館や美術館ではなく、
皆に日常生活でいつでも楽しんでもらいたいという気持ちで制作を行いました。
3ヶ月の制作期間や作品発表、そして受賞など、色々、すごく勉強になった大事な経験でした。
今回の賞をきっかけとして、伝統素材である漆をより深く研究し、
可能性を広げていきたいと思います。頑張ります。
どうもありがとうございました。

■ 審査員コメント

大変見ごたえのある素晴らしい作品でした。普段は、平面で漆をやっているのを立体に挑戦したことは、
大変評価できます。今後も立体に挑戦して、漆の可能性を追求していって欲しいと思います。
(審査員長:清水 敏男)

審査員一同、非常に心動かされた作品です。
伝統的な漆という技法を用い、現代的な解釈を与え、非常に高い技術で作品を仕上げています。
(審査員:鈴木 芳雄)

プレゼンテーション・審査風景

   

   

AAC2015総評

■ 清水 敏男 / TOSHIO SHIMIZU ART OFFICE代表

私はずっと美術館に務めており、約20年前に独立しました。
なぜ独立したかと申しますと、アートは美術館の中にあってもいいものだけれども、
そうじゃなくてもいいのではと思ったからです。

ほどご紹介いただいたように、私はルーブル美術館大学で勉強し、7年間パリにおりました。
パリの街を歩いていると、広場にも、建物の中にもどこにでも彫刻があり、街全体がそういった環境にあります。
しかし、日本に帰ってきて、美術館の中はおもしろいのですが、街の中にはアートがないと思い、
これは本格的にやっていかないといけないと思い、美術館をやめて、それからずっと、
街の中でアートを展開することをやってきました。

最初のうちは展覧会で、それからショッピングモールや駅などで展覧会を行い、
どんどん都市の中でアート展開していくような活動を行ってきました。

このコンペティションは、日常の生活の中でアートを楽しみという事を実現していて、
そして、15回も続いているという事が素晴らしいと思いました。
そしてもう一つ、対象が学生だという事が素晴らしいと思いました。

若い人たちにこういったチャンスを提供するという事は、とっても重要な事で、
また若い人たちも、コンペティションにチャレンジしてどんどん訓練していくことが、とても重要だと思います。

日本はまだまだこういったチャンスが少なく、賞をもらって終わりではなく、実際に作品を制作し、
マンションに置いてもらえるチャンスがあるのは、素晴らしい事だと思います。

また、このコンペティションはとても変わっていて、プレゼン資料を出してもらってそれを見て、
これって実際に出来るかなと予想するという、少し難しいコンペティションです。

プレゼン資料を見て予想するのですが、予想出来ないところもあり
、実際に作品を制作していただく優秀賞を選定するのはとても難しかったです。

それぞれ皆さん、今回の賞をとった事で終わりではなく、これがスタートだと思って頑張ってください。
皆さんまだ学生ですし、これからアーティストとして歩んでいくとしたら、
その期間のほうが遥かに長いわけですので、そのスタートにやっと立てたと思うぐらいの気持ちでいれば、
これから素晴らしい活動が出来ると思います。

みなさん、本日はおめでとうございました。


最終審査結果発表
表彰式・授賞式  懇親会