AAC2011 最優秀賞・副賞 美術旅行レポート

作品タイトル:「HOPE」
堀 康史(ほり やすし)
多摩美術大学 美術学部 油画専攻 4年
村上隆さんの個展「MURAKAMI EGO」

「カタールで行われていた村上隆さんの個展「MURAKAMI EGO」を観に行きました。

まず現地に着いて驚いたことは、日本との環境の違いでした。
気温が40℃と暑く、風が強いと景色が霞むほど砂が舞います。
車移動が基本で交通量が非常に多いです。歩道は途中で工事を止めてしまったのか、舗装が中途半端で歩きにくいです。昼から夕方は大体のお店が閉まっており、夕方まで外に人はほとんどいません。
展示会場の監視員の方たちは大きな声で雑談をしたり、携帯電話をいじっていたりと、日本では考えられない光景でした。

このような異なる環境の国で、お互いを信頼し展示を開催することは大変困難なことではないかと想像させられました。

展示会場の建物は道路に背を向けるように建てられており、入り口は裏側にあります。

初めて生で村上さんの作品を拝見したのですが、とにかく質が高く細部まで徹底してこだわっていることが一目でわかりました。 作品を発表するにあたり、まず目を向けてもらうためには丁寧な仕事が必要であると改めて思いました。

そしてただ美術の文脈を踏まえ、新しい価値観を提示するだけでなく、純粋に目で見て楽しめる工夫もされていました。展示されている絵画も彫刻も、錯視のように目が常に作品の中を彷徨ってしまい、見飽きることがありません。光の加減によって凹凸やラメが見えたりと実物を前にしなければ楽しめない作りになっていました。
会場内に張られたテントの中では、アニメと実写映画の予告が上映されていました。日本アニメのほのぼのとした感じや、少女アニメ独特の高いテンション等を海外へ紹介しているようでした。上映されている作品は日本語だったので、そこはとても安心出来る空間でした。

この展覧会を通じてクオリティーの追求と、さまざまな媒体を利用し作家の多様性を表すことが重要であると感じました。