第6回AAC学生彫刻コンペ 審査結果

2006 年12月1日(金)、「アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティション2006」の最終審査が行われました。
今回で6回目を迎える本コンペは、同年6月から9月までの約3ヶ月間の募集で、全国から56点の作品が集まりました。
第一次審査で選ばれた3名に作品を制作していただき、実際の展示場所となるマンションに1つずつ仮設置をした上で、最終審査が行われました。
厳正なる審査のもと以下のように受賞作品が決定しましたのでご紹介いたします。
審査総評
一次審査を通過した3作品の中から、堀園実さんの「息を止めてきこえるリズム」が最優秀賞に選ばれました。
個性豊かな作品が出揃った中、堀さんの作品は、沖縄の漆喰を使った非常に珍しい作品であったことや、展示したときの華やかさ、またこの作品を見て、住んでいる方や道行く人が興味を持ち、足を止めてくれるのではないかという期待を込めて、最優秀賞に決めさせていただきました。
このコンペで一番難しいのは、美術館やギャラリー、展覧会と違って、皆さんが普通に生活する中でのアート、いわゆるパブリックアートを作るということだと思います。常設展示されるため、耐久性・安全性を踏まえた作品作りが大前提となり、入賞者はその点が非常に苦労したと口々におっしゃっていました。しかし、様々な条件を考慮しながらの制作は良い経験になったと思います。
日本では、ベテランの彫刻家でさえパブリックアート作品を発表する場自体が極めて少なく、これからという世代の若いアーティストたちにとっては、とてつもなく大きな壁となっているのが現状ではないでしょうか。しかし、こういう場を私たち企業側が増やしていければ、彼らが卒業しても創作活動を続けていくことを、前向きに考えられるようになるのだと思います。今後とも努力してまいりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。 ご応募いただいた皆様、本当にありがとうございました。

最優秀賞

作品タイトル: 「息を止めてきこえるリズム」
堀 園実(ほり そのみ)
沖縄県立芸術大学 美術工芸学部 彫刻専攻(4年)
一次審査の結果後、約2ヶ月という短い期間でしたが、よい緊張感をもって取り組むことができました。制作最後の一週間は、作品と真剣に向き合ってどうつめていくか、時間と精神力との闘いでした。作品を船に搬入してからの一週間は、作品を手元から離し客観的に考えたり、そもそも自分はこの作品を通し何を表現し伝えたかったのか、見つめ直すよい期間だったと思います。
実際のプレゼンテーションではかなり緊張し、言いたいことの半分も言えなかったので、プレゼンもこれからの課題だと実感しました。 今回、多くの人たちの協力のもと作品を発表することができました。制作でアドバイスをいただいたり、梱包・搬入を手伝ってくださった方、作品を真剣にみてくださった審査員方、このような企画を提案し機会を与えてくださった皆様、この機会に出会った方々に感謝します。
自分の作品をマンションに置いてもらい、とても嬉しく思います。賞をいただいたことは長い人生の一通過点であり、これからの制作活動のきっかけになっていくと思います。このきっかけを大きなものにしていけるよう、もっともっとハングリー精神で制作をしていきたいです。

優秀賞

  作品タイトル: 「時空ピラミッド」
    北川 太郎(きたがわ たろう)
    愛知県立芸術大学
    彫刻(修士2年)
  作品タイトル: 「membran」
    武末 裕子(たけすえ ひろこ)
    東京芸術大学大学院
    彫刻(修士2年)
マンションの決められた場に設置されるという前提でのコンペだったため、空間や建築とのバランス、安全面など色々と考えさせられ、勉強になる事が多かった。特に安全面については慎重にならざるをえなかった。
レセプションで服部社長がおっしゃっていた、あらゆる建造物に彫刻や芸術作品のある風景が実現すれば、どれだけ素晴らしい街になるだろうか、また、私たち作家を志す者にとってこんな夢があり、心強い話はない。素晴らしい未来が見えてきました。ありがとうございます。
この度は優秀賞をいただき、誠にありがとうございました。
幅広く活躍されている審査員の方々に作品をみていただけること、実際の居住空間に作品設置がなされること、以上の2点に魅力を感じ、このコンペに応募致しました。 1次通過のお知らせをいただくとすぐに設置マンションを下見させていただき、街の活気や、建物の雰囲気、光の入り方などを確認して、イメージをふくらませてから本制作に入りました。
今回の作品の中央にいる動物は、『外の世界と内の世界をつなぐ存在』である、犬です。人間の最古の家畜といわれている犬。人間はこの世に存在するもの全てに名前をつけ、言葉による概念づけによって統制をはかって来ました。この作品の犬の身体からは幾つもの言葉や気配があふれ出しています。境界にたたずむ存在として、そこに生きる人の心に寄り沿っていて欲しいと願い、制作しました。
審査員と向かい合ってのプレゼンでは設置面での問題点など、直接御意見を言っていただける事で、今後の参考になる点が多くありました。 これからの自分の制作の方向性を考える良い実践的な機会となりました。 本当にありがとうございました。

審査風景

表彰式・懇親会