第12回 学生立体アートコンペ「AAC2012」 審査結果

「アートのあるライフスタイル」の提案とともに、若手アーティストの発掘・支援・育成を目指して実施している学生限定立体アートコンペ「ART MEETS ARCHITECTURE COMPETITION(AAC)」の最終審査会を、2012年12月3日、東京都台東区の「入谷プロジェクト(AXAS上野北)」で開催いたしました。
今回で12回目を迎える本コンペは、同年6月から9月までの約3ヶ月間、全国の美術を学ぶ学生から作品を募集。
29点のハイレベルな作品が集まった一次審査会で選出された3名が、展示場所となる「入谷プロジェクト(AXAS上野北)」のエントランスホールに、実制作した作品を1点ずつ仮設置してプレゼンテーションを行いました。厳正な審査の結果、以下のように受賞作品が決定いたしましたのでご紹介します。

最優秀賞

「景」
帆足 枝里子(ほあしえりこ)さん
女子美術大学大学院  美術研究科 美術専攻 修士課程 立体芸術

※写真は仮設置の状態です。最終設置後の写真は後程更新いたします

■帆足 枝里子さんのコメント
今回、最優秀賞を受賞できることとなり、驚きとともに非常に嬉しく思っております。
自分の作品が、マンションのエントランス空間の一部として現実に存在していくということに、大きな喜びを感じています。
私の作品は耐久性の面で多少の不安があり、それを改善していくために試行錯誤を続けたことも、良い思い出となりました。
また、設置の面では、事務局の方々に御指導をいただき、学校で制作しているだけでは分からなかったことを色々と学ぶことができたことに感謝しています。
学生である間に、このような経験ができたことは、これから制作活動を続けていく上で、大変貴重な財産になると思います。
本当にありがとうございました。

■ 審査員コメント
最優秀賞が帆足枝里子さんになりましたのは、エントランスの白い壁の前で、淡いグリーンの色が大変映えるのではないかと考えられたからです。
そして帆足さんは昨年も優秀賞に選ばれたようなのですが、その際に指摘された素材の耐久性についての問題を大分改良されていたということもあり、総合的に見て帆足さんの作品に決定いたしました。

 

■ 最終設置作品(画像クリックで拡大)

優秀賞



「結」
グループ名 : 金保/平山
金保 洋(かねやす ひろし)さん、平山 理紗(ひらやま りさ)さん
金沢美術工芸大学 美術工芸学部 工芸専攻 2年
■ 金保 洋さんのコメント
この度は優秀賞を頂き、ありがとうございました。今回、受賞することで作品制作の機会を得られましたこと、そしてその制作する事で得られた経験が何よりも喜ばしいことでした。
最優秀賞には至りませんでしたが、公共の場に設置するということの配慮、作品の空間の兼ね合い、様々なことを勉強し、考えられる良い機会になりました。
今回得られた貴重な経験を次の制作に活かせるようにしたいと思います。
■ 平山 理紗さんのコメント
作品をつくりそれを審査していただいて、自分の創るという事について考えるようになりました。
そして、自分を少し違う視点で見直せる新しい経験になったのではないかと思います。

■ 審査員コメント
学内での展示発表や、美術館、ギャラリーでの展示の経験だけではなかなかわからない要素が、このコンペでは求められていると思います。それはパブリックな場での恒久的な設置についての考え方です。
金保さんと平山さんには、審査の時に設置方法について質問させていただきました。実際にやってみないとわからない部分も多いので、経験を積むしかないのですが、その意味で、これからお二人が絶対に良い作品をつくってくださるだろうと期待を込めました。


「catena」
山口 恵美(やまぐち めぐみ)さん
佐賀大学大学院 教育学研究科 教科教育専攻 2年

 

■ 山口 恵美さんのコメント
今回はこのような素晴らしい賞を頂き本当にうれしく思っています。私は焼き物を専攻して勉強しているのですが、焼き物といえば、機能性を持った食器などが多く作られている中で、オブジェを作る意味というものを漠然と考え、悩むことがあります。そういった中で今回、長期的にマンションのエントランスに飾ることを想定としたコンペに携われたこと、また審査員の皆様の貴重なご意見を頂けたことは本当に励みになりました。貴重な機会をありがとうございました。

■ 審査員コメント
焼きものにガウディの逆さ吊りの考え方を利用するというユニークなもので、これからもっと研究を重ねて、自分で思った以上のレベルの作品をつくってくださることと期待しています

プレゼンテーション・審査風景

AAC2012総評

■ 南條 史生 氏 / 森美術館館長
今回審査員長を勤めさせていただいた、アート・ミーツ・アーキテクチャー・コンペティションのコンセプト、私は非常にユニークだと思います。
この賞は、アートが空間にマッチするのか、どう生きてくるのか、という前提で審査されるわけですから、全国の1000以上有ると思われるコンテストやコンクールにはあまり見られない、非常に明確な枠組みを持つ公募だと思います。

先程最優秀賞の一人を選ばせていただきましたが、一人一人へのコメントは他の審査員の方々からいたしますので、私の方では簡単に審査の経緯と印象を申し上げます。

一次審査の書類選考では、29作品から3人に絞って実作を作っていただき、二次審査はそれを目の前にして議論しました。これはその空間に一番合った作品を選び出す誠実な審査方だと思います。
その際審査員は、作品が空間にマッチするのかどうかだけではなく、恒久設置されたときに絶えられるかどうかと言う視点から、素材や技法、耐久性の問題、作品保護のためのケースやカバーの必要性等、細かい多様な視点を含めて議論します。さらに応募者が想定していなかった様な問題についても、サジェッションし、そうしたやりとりを通して最終的な判断をします。

大変現代的な作品、工芸的な作品、そして素材がユニークな作品など、それぞれ非常に特徴的なものが集まりました。ひとつずつが全く違う良さを持っているので、どの方向で行くのかということを決めるのはなかなか難しかったです。
結果的に最優秀賞が帆足枝里子さんになりましたのは、エントランスの白い壁の前で、淡いグリーンの色が大変映えるのではないかと考えられたからです。
そして帆足さんは昨年も優秀賞に選ばれたようなのですが、その際に指摘された素材の耐久性についての問題を大分改良されていたということもあり、総合的に見て帆足さんの作品に決定いたしました。

最終審査結果発表
表彰式・授賞式
表彰式・授賞式 AAC2010
表彰式・授賞式 AACポスターコンペ2010
懇親会